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登記申請の却下 |
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解説 |
登記官は、受付をした登記申請を不動産登記法25条(下記に全文引用)各号に照らして審査し、不備のない場合には登記を実行し、不備のある場合には理由を付した決定で申請を却下する。
登記官は原則として、提供された情報、登記所に備付の書面等により、申請の適法性を形式的に審査する。ただし、表示に関する登記については実地調査権限が登記官に認められている(不動産登記法29条)。
不動産登記法25条各号は申請の受理要件を定めた規定であり、必ずしも有効要件を定めているわけではない。すなわち、各号のいずれかに該当する申請であるにもかかわらず登記官が登記を実行した場合には、その登記は必ずしも無効とはされない。無効要件にも該当するのは、1号、2号、3号、13号である。
申請を却下する場合には、登記官は却下決定書を各申請人又は代理人に交付又は送付する。却下される申請が書面申請の場合には、申請書を除き、添付書類を還付する。ただし、偽造された書類その他不正な登記の申請のために用いられた疑いのある書類については、証拠の保全のため還付されない(不動産登記規則38条)。
不動産登記法25条
登記官は、次に掲げる場合には、理由を付した決定で、登記の申請を却下しなければならない。ただし、当該申請の不備が補正することができるものである場合において、登記官が定めた相当の期間内に、申請人がこれを補正したときは、この限りでない。
- 申請に係る不動産の所在地が当該申請を受けた登記所の管轄に属しないとき。
- 申請が登記事項(他の法令の規定により登記記録として登記すべき事項を含む。)以外の事項の登記を目的とするとき。
- 申請に係る登記が既に登記されているとき。
- 申請の権限を有しない者の申請によるとき。
- 申請情報又はその提供の方法がこの法律に基づく命令又はその他の法令の規定により定められた方式に適合しないとき。
- 申請情報の内容である不動産又は登記の目的である権利が登記記録と合致しないとき。
- 申請情報の内容である登記義務者(第65条、第77条、第89条第1項(同条第2項(第95条第2項において準用する場合を含む。)及び第95条第2項において準用する場合を含む。)、第93条(第95条第2項において準用する場合を含む。)又は第110条前段の場合にあっては、登記名義人)の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないとき。
- 申請情報の内容が第61条に規定する登記原因を証する情報の内容と合致しないとき。
- 第22条本文若しくは第61条の規定又はこの法律に基づく命令若しくはその他の法令の規定により申請情報と併せて提供しなければならないものとされている情報が提供されないとき。
- 第23条第1項に規定する期間内に同項の申出がないとき。
- 表示に関する登記の申請に係る不動産の表示が第29条の規定による登記官の調査の結果と合致しないとき。
- 登録免許税を納付しないとき。
- 前各号に掲げる場合のほか、登記すべきものでないときとして政令で定めるとき。
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