クーリング・オフができない場合でも、一定の条件下においては、消費者契約法により契約を取消すことが可能である。
消費者契約法は、事業者対消費者間の契約に限定して適用されるので、宅地建物取引業者が売主となっているマンション、建売住宅、分譲宅地の売買などで、買主が会社などの法人ではなく個人(消費者)の契約に適用される。売主が宅地建物取引業者ではなく一般の個人(非事業者)であれば、消費者契約法の適用はない。
適用範囲内の不動産売買契約の締結過程に、下記にあげるような宅地建物取引業者の不適切な行為があった場合には、契約を取り消すことができる。
- 不実告知。 築後20年を経過している物件にもかかわらず「築後10年である」と告げるような事例。
- 断定的判断の提供。 将来における土地の価格につき、「この土地を買えば必ず儲かる」「数年後には必ず2倍の値段になる」などときめつけることなど。
- 不利益事実の不告知。 まもなく隣地にマンションが建つ予定があるにもかかわらず「日当たり・眺望は良好」などと告げ、マンション建築については告げないことなど。
- 不退去。 宅地建物取引業者が訪問販売に来たときに、業者に対しもう帰って欲しいと意思表示したにもかかわらず、帰らなかった場合など。
- 監禁。 買主が、宅地建物取引業者の営業所に行ったときに、もう帰りたいと意思表示したにもかかわらず、業者が帰してくれなかった場合など。
なお、これらの取消のできる期間は、取消の原因である状況が止んだときから半年以内である。 |