平成17年3月7日施行された改正不動産登記法により、予告登記が全面的に廃止された。
廃止した理由は以下のとおりである。
- 不動産取引や強制執行を妨害する目的で登記名義人と第三者が形式的に訴訟を提起し、予告登記制度を悪用している例が散見される。
- 予告登記には、順位や権利を保全する効力はなく、法的効果が薄い。
- 登記の抹消又は回復の訴えが提起された場合、通常、仮処分の申立てもなされ、仮処分の登記が嘱託されるので、当該仮処分の登記により、予告登記の警告機能を代替することができる。
- 予告登記の嘱託件数は、さほど多いとはいえず、廃止の影響は少なく、実務界からの存続を求める声もほとんどない。
なお、既存の予告登記については、登記官が職権で抹消することができ、ある不動産になんらかの登記申請がなされ、登記官がその調査を行った際に、予告登記がされているときは、職権抹消する(不動産登記規則附則18条)。 |