申請にかかる登記]]によってあらたに登記名義人となる申請人にその登記完了後に登記官が通知する12桁の英数字の組み合わせによるパスワードで(不動産登記規則61条)、登記名義人本人が申請していることを確認するための情報。
平成17年に不動産登記法が改正される以前は、登記完了時に、登記官は登記済証を登記権利者]]たる申請人に交付していたが、改正後は登記済証の制度が廃止され、その後のオンライン申請における本人確認を念頭に、登記識別情報を登記完了時に通知することになった。登記識別情報は、従来の登記済証の制度に完全に代わる制度として採用されている。なお、登記識別情報の通知は、オンライン申請の場合は暗号化されたデータのダウンロード、書面申請の場合は窓口での書面の交付によって行われる(同規則63条)。
登記識別情報の通知をうけた登記名義人は、次のような登記の申請をする場合に、登記識別情報を登記所]]に提供しなければならない(不動産登記法22条、不動産登記令8条1項)。
- 登記名義人が登記義務者として登記権利者]]と共同で権利に関する登記を申請する場合。
- 共有物分割禁止の定めにかかる権利の変更の登記、抵当権又は質権の順位の変更の登記、根抵当権の共有者が元本確定前に債権額の割合とは異なる割合で弁済を受ける等の特約(民法398条の14第1項ただし書)の登記]]。これらの登記は当事者間における登記義務者・登記権利者の必ずしも明確ではない合同行為であるため、申請人全員の登記識別情報の提供を要する。
- 所有権の移転の登記がない場合における所有権の登記の抹消。
- 仮登記の登記名義人が単独で申請する仮登記の抹消。
- 所有権の登記がある土地の合筆の登記。
- 所有権の登記がある建物の合体による登記等。
- 所有権の登記がある建物の合併の登記。
登記識別情報は次の場合には通知されない(同規則64条)。
- その通知を受けるべき者が、通知を希望しない旨の申出をあらかじめしたとき。
- オンライン申請にかかる登記の完了後、登記所]]のコンピュータに登記識別情報が記録され送信可能となったときから30日以内にダウンロードしない場合。
- 書面申請にかかる登記の完了のときから3ヵ月以内に登記識別情報を記載した書面を受領しない場合。
- 登記識別情報の通知を受けるべき者が官公署である場合。
なお、登記識別情報の再通知は行われない。後日登記識別情報の提供なしに申請がされる際の本人確認を事前通知や資格者代理人による本人確認などにより行えば足りると考えられるからである。 |