企業が保有する土地・建物等の固定資産の実勢価格が下落した場合に、帳簿価格を据え置いたままでいると、資産価値を過大に表示したまま損失を繰り延べていることになり、結果的に財務諸表の信頼性が損なわれることになる。
そこで、資産の時価が下落し、帳簿価格で回収できない可能性が高くなった場合に、強制的に評価損を計上する会計処理が導入された。これが減損会計である。また、減損処理ともいう。
実質的な資産価値に基づく会計処理により、企業の財務状況をより明らかにしようとするものである。
従来のわが国ではあまり馴染みのない概念であるが、欧州では古くから使用されてきた概念であり、すでに国際会計基準の一部となっている。
平成14年8月、企業会計審議会により導入に向けての減損会計基準に関する意見書が公表され、平成17年4月以降に開始する事業年度から減損会計の強制適用がなされている。 |