2016年3月 のアーカイブ

賃貸借契約を解除できる?できない?

2016年3月27日 日曜日

こんにちは、アクロスコーポレイションの高橋と申します。
今回は、「あるケースにおいて賃貸借契約を解除できるか?できないか?」
をテーマにお話しさせて頂きます。

あるオーナーが、個人ではなく保証会社による保証契約で部屋を貸しました。
すぐに借主は家賃を滞納しましたが、滞納分は、保証契約に基づいて保証会社からオーナーに支払われました。

このケースの場合オーナーは、家賃の不払いを理由に賃貸借契約を解除することができるでしょうか?

今までは多くの人がこの問いに対して、「オーナーは滞納された家賃を受け取っているので請求する権利はないとされ解除はできない」と考えてきました。
しかし、その常識を覆す判決が平成25年11月に高等裁判所で下されました。
しかもこの判決は後日、最高裁でも正しい判決と認められ、確定しております。

まず、家賃を滞納した借主の言い分は、「貸主は不利益を被っていない(保証会社から家賃を受け取っているのだから)」というものでした。だから契約の債務不履行にはならない、という主張です。それに対して貸主側の主な言い分は、「保証会社に保証料さえ払えば「居住し続ける権利」は借主にはない」「それを許せば保証会社が破綻して善良な借主が犠牲になる」というものでした。
裁判所は前述の通りに貸主側の主張を支持して、「保証会社が貸主に支払った金銭は“借主による賃料の支払いではない”ので、債務不履行の事実は消えない」という主旨を述べています。保証会社から代位弁済(代わりに支払うこと)があっても、借主の債務不履行が認められたのです。

結果、家賃滞納の債務不履行で貸主側から契約を解除できるという事です。。

この判決を読んで、オーナーは、保証会社から家賃が支払われれば金銭的な損害はありません。ですが、それが何ヶ月も続くとなった場合はどうなるでしょうか。
まず、保証会社が滞納家賃を負担する金額に限度を設けている場合があります。
その時は、いずれオーナーに影響が出てきて、直接支払い交渉等をしなければならなくなります。そして、保証会社の代位弁済が増えて損害が多くなれば、保証料を高くする動きや、保証会社の倒産という事態が増えることが予想されます。これはオーナーにとって大きなマイナスでしかありません。

さらに、滞納する借主は、他の入居者に迷惑をかける可能性が高いはずです。ルーズであり、共同生活のルールを守れない生活態度をとることが多いですし、そのうえ、玄関先で行われる家賃督促行為は、他の入居者には聞かせたくないでしょう。

以上を考えると、たとえオーナー様に金銭的な損害が発生していなくても、家賃滞納の債務不履行で貸主側から契約を解除できるという、今回の最高裁の判断は重要な出来事として記憶に留めておく必要があると感じました。

賃貸物件の10年後20年後

2016年3月13日 日曜日

こんにちは、アクロスコーポレイションの高橋と申します。
今回は、賃貸物件の10年後20年後を考えるテーマでお話しさせて頂きます。

現在、所有されている賃貸物件が新築または築浅であれば、今はきっと満室かそれに近い状況でしょう。でも10年後は、「何の手も打たないで」満室を維持するのは難しくなっているかもしれません。さらに20年後では、空室に悩み、想定以上の修繕費がかかることに、驚いたり悩んでいるかもしれません。賃貸経営の中間点に差し掛かって、大事な岐路に立っていることに気付くことになります。だからこそ、新築で満室のいま、その時のために、何かを決めて行動する必要があるのではないでしょうか。

もしご所有の賃貸物件が築10年なら、そろそろ、退去した後の部屋が「なかなか決まらなくなってきた」という時期かもしれません。広告料とか、フリーレントとか、家賃の改訂とか、色々な提案があるのではないでしょうか。このときに下す決断が「とりあえず部屋が埋まればいい」という近視眼的なものか、「10年後を見据えた」長期的な考えによるものか、その選択によって結果が大きく変わることになるでしょう。

もうひとつ築10年といえば、外壁の塗り替えや、エアコン等の設備の交換といったメンテナンスが必要になってくる時期です。大規模修繕の予定が組まれていれば、「やるかやらないか」の決断が容易ですし、そのための資金も用意できているでしょうから、何の問題もありません。でも予定を組んでいなかったとしても、今からでも遅くありませんので、さらに10年後のために、準備を始めるべきです。

築20年でも20年後を考える

もしご所有の賃貸物件が築20年なら、老朽化物件の坂を転がり始める直前にあるか、あるいは、高い稼働率を立派に維持しているか、そのどちらかでしょう。それは、10年前20年前の決断と、それを実践したことによる差であることは明らかです。ご存知の通り、建物設備のメンテナンス費用は、築20年以降から本格的に必要になってきます。家賃収入は減っていくのに、修繕費用の出費は増えるという事態です。それでも、ローンの支払利息分や減価償却分が少なくなるので、利益が出て税金は課税されるという、厳しい時期になります。

でも、このような老朽化物件への坂にあったとしても、これからの10年20年を見通して決断をすれば展開が変わってきます。

たとえば、最低限の費用だけをかけて、低額家賃の入居者層をターゲットとして、必要な収益とキャッシュフローを得ることは可能でしょう。あるいは築20年を40年間の賃貸経営の「折り返し点」と捉えて、大規模なリノベーション工事で積極的に攻めるという選択もあります。新たなローンを返済しても、必要な収益とキャッシュフローが得られるような計画もあり得るのではないでしょうか。

もちろん、これらの中間をいくような選択肢がいくつもあるはずですが、重要なのは「入居者ターゲット」をできるだけ明確にして、必要最低限の支出を真剣に検討して、そして決めて実践する、ということです。

いずれにしても、現在の賃貸物件が「築何年」のときでも、「空室でも満室」でも、「トラブルを抱えている最中」であっても、その時の決断の中に、「10年後20年後を見通してみる」という考えを加えることが、とても重要で意味があることだと私は考えます。

青色申告で節税

2016年3月5日 土曜日

こんにちは、アクロスコーポレイションの高橋と申します。
今回は、賃貸住宅オーナーのための確定申告についてお話しさせて頂きます。

この時期、払う必要のある所得税額を自分で計算し、税務署に申告しなければなりません。その際、申告の方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。

今回紹介するのは「青色申告で節税」です。
不動産所得は、自身で1年間の所得を計算して税金を納める「申告納税」です。
しっかりと帳簿を記録している人には、税金を少しでも軽くしてあげるという趣旨で生まれたのが「青色申告制度」です。

①特別控除
最低でも10万円。賃貸経営が事業的規模(5棟か10室以上)で複式簿記を採用していれば65万円が控除できます。

②青色専従者給与の必要経費算入
一緒に暮らしている妻や親族が賃貸経営を手伝っている場合は、その給与は適正な金額の範囲であれば必要経費になります(白色申告では妻の場合で86万が上限という制限があります)。賃貸経営が事業的規模であり事前に届け出されていることが条件です。もちろん、給与を受け取った側(たとえば妻)も一定の額を超えれば源泉徴収税を負担する必要がありますが、世帯合計の税負担額は減らすことができます。

③純損失の繰越控除
不動産所得は赤字になったとき他の所得と損益通算(赤字分を他の黒字所得から控除すること)できますが、通算してもなお赤字が残るときは、翌年以降3年間に繰り越して他の所得から差し引いたり、前年が黒字であれば繰り戻して納めた税金を還付してもらうことができます。

提出が必要な書類の数や提出期限の面で負担は増えますが、青色申告は白色申告に比べて数万円から数十万円の節税が期待されています。
現在、白色申告をされている方はこの機会に、青色申告に切り替えると良いでしょう!!